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初公開から超有名作品まで『新・北斎展』が六本木でスタート
画像説明
これぞ北斎の世界観!《弘法大師修法図》ほか
北斎の絵師人生を全480件の作品で振り返る『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』が六本木ヒルズでスタート。会場の模様と注目作品をご紹介します。
1. 永田コレクションは今回が最後の東京公開
※掲載内容は2019年1月17日現在のものです
1. 永田コレクションは今回が最後の東京公開
20歳のデビュー作から90歳の絶筆まで、北斎の絵師人生を振り返る『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』が、2019年1月17日(木)から、六本木ヒルズ内の『森アーツセンターギャラリー』にてスタートしました。前日に撮影した内覧会の展示風景とともに、本展のおすすめポイントをご紹介します。
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『しん板クミあけとうろふゆやしんミセのづ』(完成写真)
北斎の代表作と言えば、世界的にも名高い『富嶽三十六景』シリーズや『北斎漫画』などが一般的に知られていますが、約70年におよぶ北斎の画業のほんの一部です。
本展では北斎の絵師人生を6期に分けて紹介されています。
1)20-35歳頃 春朗期…勝川派の絵師として活動
2)36-46歳頃 宗理期…派を離れ肉筆画や狂歌絵本の挿絵などに意欲的に取り組む
3)46-50歳頃 葛飾北斎期…読本の挿絵に傾注した
4)51-60歳頃 戯斗期…多彩な絵手本を手がけた
5)61-75歳頃 為一期…錦絵の揃物を多く制作
6)75-90歳頃 画狂老人卍期…自由な発想と表現による肉筆画に専念
多岐にわたる北斎の画才を改めて知ることができる大規模展です。
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157《津和野藩伝来摺物》(写真は1期の模様)
多数の初公開作品を揃えていることも特徴で、そのうち3つが島根県立美術館(永田コレクション)所蔵の作品です。
北斎研究の第一人者である故・永田生慈氏の2000件を超えるコレクションは、2017年に一括して故郷の島根美術館に寄贈されました。氏の遺志により本展に出品された後は、島根県のみでク岡井されることとなっており、つまり永田コレクションを東京で見ることができる最後の機会となります。

旧津和野藩主家が所蔵していた摺物(非売品の特製版画)157《津和野藩伝来摺物》は全118枚を4期にわかて全点を初公開。長らく秘蔵されていたゆえの脅威の美しい色彩も魅力です。
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213《酔余美人図》ほか
そのほかの初公開作品として88歳の時に描いた《向日葵図》(肉筆画)、近年発見されたばかりの《かな手本忠臣蔵》(小判、10枚)などがあります。
私が内覧会で気に入ったのが、浮世絵の213《酔余美人図》。絶妙なポーズで酔った美人の艶やかさを描いた北斎肉筆美人図の傑作です。
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301《富嶽三十六景 神奈川沖浪漫》
もちろん世界が愛する"THE HOKUSAI"《富嶽三十六景 神奈川沖浪漫》も展示。
1・2期は『301(日本浮世絵美術館蔵)』、3・4期は『300(島根県立美術館(新庄コレクション)』が展示されます。

そのほか299《富嶽三十六景 凱風快晴》(1・2期)や302《富嶽三十六景 山下白雨》(3・4期)、260《北斎漫画》。

また特別出品として、北斎研究の『平成の二大発見』とされる、北斎壮年期・最晩年の傑作《隅田川両岸景色図巻》(2月11日まで)と、《雨中の虎図》《雲龍図》(2・3期)も見逃せません。
本展は作品数が多いため会期中の展示替えが多いのも特徴。公式ホームページで目的の作品の展示期間を確認し、全てを観たい方は4期を完全制覇しましょう。

(取材・文・撮影/落合 宏樹)
【新・北斎展 HOKUSAI UPDATED】
◇公式ホームページ:https://hokusai2019.jp/
◇会期:2019年1月17日(木)~3月24日(日)※会期中、展示替えがあります
◇会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ 森タワー52階)
〒106-6150 東京都港区六本木 6‐10‐1
◇開館時間:10:00~20:00、火曜日のみ17:00まで
(最終入館は閉館の30分前まで)
◇休館日:1月29日(火)、2月19日(火)、2月20日(水)、3月5日(火)
◇料金:当日券 [一般]1,600円/[高大生]1,300円/[小中学生]600円
◇アクセス:
●東京メトロ 日比谷線「六本木駅」 1C出口 徒歩0分(コンコースにて直結)
●都営地下鉄 大江戸線「六本木駅」 3出口 徒歩4分
●都営地下鉄 大江戸線「麻布十番駅」 7出口 徒歩5分
●東京メトロ 南北線「麻布十番駅」 4出口 徒歩8分
***関連リンク***
■森アーツセンターギャラリー(公式ホームページ)
■六本木ヒルズ(公式ホームページ)
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