元アイドルの振付師・日下このみインタビュー「毎日が勉強中」
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STU48のカップリング曲『ポニーテールをほどいた君を見た』の振付も担当
「ちょっと昭和レトロなのがポイントです」(日下)
振付師やパフォーマンス指導者として活躍する元NMB48の3期生・日下このみさんにインタビュー。振付師となったキッカケやこだわりなどを伺いました。
※掲載内容は2022年9月5日現在のものです
セカンドキャリアにつなげたプロデュース力「最初は当たりが強かった」
元NMB48の3期生で、現在は卒業後のセカンドキャリアとして振付師やアイドルグループのパフォーマンス指導者として活躍する日下このみ(くさか・このみ)さんにインタビュー。

アイドル時代や卒業後の経験、振付師としてのこだわりなどを伺いました。

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卒業から2年間、引きこもりました(日下)
――NMB48卒業(2019年1月)から約3年半、卒業されたキッカケは?
【日下】既にNMBでは何曲も振付を経験させて頂いていて「次の段階に進まないと」と自然に思っていて卒業しました。

――ビジョンを持って卒業されたんですね
【日下】いえ、実は意外と決めてなくて。「振付とダンスの仕事がしたい」というのは決めてましたが、具体的な目標や準備よりも「とりあえず出よう!」という感じでした。なので卒業から2年間、引きこもりました(笑)。

熱海の旅館で住み込みのアルバイトをしました(日下)

――それまでの忙しい日々から激変ですね
【日下】7年間、スケジュールが送られてきて、そこに行って仕事…を繰り返してたのが、全く無くなったら「あ、自分ってホンマに何もできん」と思って。

【日下】生活のギャップがものすごくて、本当にずっと家にいて。完全に引きこもりでしたね(笑)。

――転機のキッカケは?
【日下】ずっと動いてたのが急に動かなくなって筋肉も痛いし、気持ちもやられちゃって「このままだとヤバイ、どうしよう」となって。

【日下】そこから1度、住み込みのアルバイトを始めたんです。熱海の旅館で…唐突なんですが(大笑)

――かなり唐突ですね。何故、熱海に?
【日下】派遣会社に登録したんです。東京のダンススタジオに通いたかったので「東京に行きやすくて、3か月ぐらい働ける所はどこですか?」と相談したら、熱海を薦められて。「人もあったかくて、いい雰囲気ですよー」と言われて、熱海に決めました。
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『ホテルニューアカオ』でベルスタッフしてました(日下)
――熱海では、どんな生活を?
【日下】働きながら、休みの日は東京にレッスンへ行って、ダンスの勉強をして…ですね。ただ、その頃はまだ、めっちゃ病んでました。心が疲れすぎてたんですね。

――旅館のお名前と仕事内容は?
【日下】閉館されてしまったんですが『ホテルニューアカオ』という旅館で、ベルスタッフをやってました。「お荷物お持ちします」とか「ウェルカムドリンクをご用意してます」とか。

――ファンの方に気づかれたそうですね
【日下】そうなんです!お父さんと娘さんで、たまーに難波まで来てくれる横浜の方で。家族旅行で来た娘さんが気づいて「え?このみちゃん?」「はい」みたいな感じでした。

色々な人と出会えた2年間は無駄じゃなかった(日下)

――職場の皆さんは?
【日下】実は気づいてたらしく「本人に言ったら居づらくなるから黙っててあげよう」という感じだったそうです。

【日下】やめる時になって「実は知ってました…めっちゃ好きでした」って言われて「えーっ!!」「ありがとう」みたいな。ほっこりエピソードです。

―そういえば本名ですよね?名札とかは?
【日下】はい、本名です。名前書いてたんですよ『日下このみ』って。良く考えたらバレバレですよね(笑)。

――その後は熱海以外でもバイトを?
【日下】はい、熱海を出てからも、いくつかしてました。大阪でホテルの朝食を出すスタッフとか。

――大阪で?すごくバレそうですが
【日下】はい、初日からバレました(大笑)。フルーツを盛ってたら女の子に「このみんですよね?」と言われ「あ、はい。フルーツどうぞ」みたいにちょっと気まずく(笑)。

【日下】でも皆さん、SNSとかにはあげずにいれてくれて。それでも、たくさん気づいて声をかけてもらえたのは、凄く嬉しかったですね。

―アイドルでの経験は役立ちましたか?
【日下】はい、すごく。特に「初めましての状態で10秒間お話しする」(=握手会)をずっとしてたので「私、初めての方と会話したり接客するの、めっちゃ上手かも!」って、熱海で初めて気づきました。

―NMBでは活かせていなかった?
【日下】現役時代は正直わかっていなかったですね。スタッフさんとの関わり方など、いま振り返ると子供でした。バイトなどを通じて色々な人と出会い、冷静な目をもってから東京に来れたので、そういった意味で「2年間のブランクは無駄じゃなかった」と思っています。
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指導風景 (c)高嶺のなでしこ
――現在、お仕事のメインは振付師ですか?
【日下】いまは振付師+パフォーマンス指導が多いですね。

――振付をされるようになったキッカケは?
【日下】アイドル時代にずっと「振付をしたい」と言ってましたが「それは裏方、振付師の仕事なんで厳しいです」とスタッフさんに言われてて。

【日下】そんな中、オールナイットニッポンで「今後の夢は?」みたいな流れになり「楽曲の振付がやりたいですね」って言ったら、たまたま秋元先生が聞いてくださっていて「じゃあ、やってみなよ」とメールが送られてきて。

――オンエア中に?
【日下】そうなんです、リアルタイムで。「えぇーー!!」みたいな感じでした。

――48グループでメンバーによる振付は初でしたよね?
【日下】はい。NMB48 12thシングル『ドリアン少年』(2015年)のC/W『心の文字を書け!』の振付を担当させていただき、その後もチーム曲をずっとやらせていただきました。

――自己プロデュースの先駆けですね。
【日下】あはは、確かにそうでした。でも前例がないことを色々始めたから、風当たりが強かったです。

――風当たりとは?
【日下】いまでこそ、握手会とかイベントの宣伝を、メンバー自身がするのって普通じゃないですか?実は私が最初で。

【日下】あの頃、売り上げが悪くて、何とかしたいなと思い、ブログやツイッターで<ジャパネットたかた>さん風に「どーですか、どーですか」「URLはこちら!」みたいなことをしてたんです。そしたら、バーっと数字が伸びて。それで皆もやりはじめました。

【日下】でも、最初はマネージャーさんに、めっちゃ怒られたんですよ。「メンバーがそんな薄汚いことするなー」って。でも、実際に売り上げがあがったから、言えなくなったみたいです。今はそれが普通になったので「ほらほらーって」(笑)。

顔を見せれる瞬間を作るのをすごく意識してます(日下)

――STU48の楽曲も担当されましたね
【日下】48グループの監修をされている方が、私がゼロイチファミリアの『#ババババンビ』ちゃんの振付指導をしていたのを知って「じゃあ、STUやってみませんか?」とお声がけくださって。

【日下】STU48『花は誰のもの?』のカップリング曲『ポニーテールをほどいた君を見た』を担当させて頂いたんですが、曲を聞いた瞬間に「あ、秋元さんの曲やぁ」と思って感動しました。

【日下】秋元先生の楽曲を『振付師』として担当することが目標の一つだったので、それが叶って嬉しかったです。

――やっぱり秋元先生の曲は違いますか?
【日下】なんか、しっくり来たんです。ずーーっとやってたので。すごい贅沢な話なんですけど「あー戻ってきたなぁ」って。楽しすぎてニヤニヤしながら作ってました(笑)。

――振付のテーマは?
【日下】音の感じが昭和レトロな雰囲気に感じたので、昭和のアイドルさんをめっちゃ見まくって。いまの時代から見て「ちょっとおダサ、でもかわいい」という印象に残るものを目指して作りました。ステップがちょっと昭和っぽいのが、ポイントです。

――STU48との仕事はどうでしたか?
【日下】私が振付したNMB48の楽曲『フェリー』をSTU48さんが公演でやってくれていて。「振付がすごく好きです!」って言ってくれたり、すごく嬉しかったですし、かわいかったです。

――元アイドルの振付師・日下さんのこだわりは?
【日下】やっぱりアイドルは顔が大事なので、見せるところでしっかり顔をみせたいと思っています。歌割りが短い子と多い子のバランスがある中でも、なるべく顔が見せれる瞬間を作ることを、すごく意識してます。

【日下】自分も後ろのほうだったからこそわかるんですが、自分の見せ場があると嬉しかったですし、自分も曲の一員だっていうことを感じられるので。メンバー全員を見せれるようにっていうのが、私のこだわりですね。

――振付師として一番のやりがいは?
【日下】人数が増えるほどフォーメーションが複雑ですが、全体曲を振付て、ステージで完璧な姿をみたときが一番報われますね。
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恋愛もしたいですが、やり方がわからず…っていう感じです(日下)
――卒業され恋愛も解禁ですよね?
【日下】良く聞かれますが、本当に7年間、仕事のことしか考えてなくて。本来、恋愛をする時期にして来なかったから、やり方がわからなくて…いまだに模索中です(笑)。

【日下】ただ、女性として恋愛はしたいと思っています。人生が豊かになりますし『創作』も濃くしていけると思うので。恋愛したいし学びたいんですが…っていう感じです。

――恋愛する相手は同業者がいいですか?
【日下】同業者…じゃない方がいいと思います。でも、0から1にするクリエイティブ系のお仕事をされている方のほうが、話が合うかも知れません。

まずは「アイドルの指導者」というところを確立したい(日下)

――タレントやダンサーなど表舞台での仕事も?
【日下】はい。そのためにダンスの実力を、もっともっと詰めていかなければと思っていて、まもなくロスにも留学しますし、勉強しながら、仕事しながらですね。

――ロスで学びたいことは?
【日下】パッション的なところ、日本ではなかなか感じにくい「自分が、自分が!一番だ!」みたいな、自信からくるエネルギーみたいなものを私も欲しいなと思っていて。技術もですが、精神的な部分をロスで学びたいと思っています。

――今後の目標は?
【日下】まずは「アイドルの指導者」というところを確立したいです。メンバーさんへの伝え方など、指導面の勉強もしています。

――ファンへ向けたメッセージをお願いします
【日下】裏方になってもインスタでDMくれたり、いいねをしてくれたりなど、そういうところで凄くパワーをもらってます。本当にありがとうございます!成長過程も含めて私と言う人間を楽しんでもらえるように頑張りたいと思っています。今後も引き続き、応援よろしくお願いします!
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STUの振付はニヤニヤしながら作ってました
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女性として恋愛はしたいと思っています
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留学では精神的な部分を学んできます
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指導風景(C)#ババババンビ製作委員会
振付師やアイドルの指導者としての仕事を確立させながら、自身のスキルアップを同時進行で進めている日下さん。

定評あるプロデュース力を活かし、表舞台と裏方の二刀流を目指す、日下さんの活躍に期待しましょう。

ヘアメイク/小田愛永
取材・文・撮影/落合 宏樹
【日下このみ(くさか・このみ)-プロフィール-】
元NMB48。現在 振付師・パフォーマンス指導
幼少期からダンスを始め、2012年 アイドルグループNMB48としてデビュー。
NMB48劇場公演、東京ドーム、日本武道館、大阪城ホールなど様々なステージに立つ。
また選抜メンバーとして紅白歌合戦などの音楽番組にも多数出演。
個人の活動では、AKB48グループ初となるメンバーによる楽曲の振り付けを担当し、コンサートの構成、演出なども手掛ける。2019年 約7年の活動を経てNMB48を卒業。
現在は、振付師として、アイドル・芸人などの楽曲の振り付けを行なっている。
また自身の経験を生かして、アイドルグループのパフォーマンス指導も数多く担当。
***関連リンク***
■日下このみ@konomi_kusaka(公式Instagram)
■日下このみ@enoki_zzz0112(公式Twitter)

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